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2010年5月

ビリーフ・システムと中心ビリーフ

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人はそれぞれのビリーフ(信念)を成長過程で獲得します。
このビリーフとは絶対的なものではなく、変化しうるものです。
ただの信念とはただの「思い込み」なのです。

あるひとつの信念を身に付けると、それはシステムにより強化されるように働きます。
自分の信念に沿ってバイアスがかかり、信念に沿った認知しかしなくなるからです。

例えば「私はサッカーが嫌いである」という信念を持っていたとしましょう。
そうすると、サッカーの悪いところや他のスポーツの良いところばかりを認知するようになります。
「お金は一番大切である」でも「私はバカである」でも同じです。

もし、「私はバカである」と思っている人がいたとして、その人が「私は天才である」と思おうとしても、そこには不協和が生じ、受け入れられません。
これは他者に言われても自分が自身にかけた言葉でも同じです。
「私はバカである」と思っている人に「バカだよね」というと、脳は不協和が生じずに落ち着きます。

こうやってシステム化されたビリーフはさらに確信へと変化します。
このシステムにいる間は、自分の考えはあまりにも当たり前すぎて自分の思い込みには気づけません。
なので、パターン化され、いつまでも循環することになるのです。
これを変化させるのがパターン介入です。

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信念というのはひとつではありません。
様々な信念のひとつひとつがシステム化され、当たり前のように働き続けるのです。
その中には、上手く行っているシステムもありますので、それは放っておくか、強化します。
上手く行っていないビリーフシステムを見つけたら、それをピックアップし変化させるように介入します。

様々なビリーフシステムがある中で、どのビリーフに介入するのが一番効果的かというと、中心になって他のビリーフをつなぎとめている「中心的ビリーフ」です。

中心的ビリーフを変化させるのは簡単ではありません。
なぜなら、すでに安定したシステムになっているためです。
安定した状態のままでは変化を嫌います。不協和したくないので排除しようと試みます。
そこで、中心ビリーフ以外の、上手く行っているビリーフシステムも使いながら、上手く行っていないビリーフを壊します。
破壊後、新しいビリーフを持ってもらいます。
新しいビリーフが安定するまでに、少なくとも3週間はかかるでしょう。
キリの良いところで1ヶ月程度、訓練してもらいます。

成功すると、クライエントさんはいつの間にか自然と自分にとって不利益で自罰的な考え方を止め、有益な考え方をはじめます。

ここまでくると、クライエントさんは自身で変化の方法を学んでいますので、自分の力で周辺の有益ではない小さなビリーフを変化させ始めます。
(これもシステム化させる一部です)

人生を有意義に、そしてより楽しくするためのセラピーを行うために我々心理セラピストがすべきことは、中心ビリーフを含めたビリーフシステム群を変化させることなのです。

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